
----------今回、於保先生と婦人科医の石川先生にお話をしていただくというのは、5月に「婦人病」の特集をしたところ大変に反響が大きく、なかでも婦人病が原因で心身症などにかかり、悩んでいる方が多いということがあったためなのですが・・・。
石川:そうですね、石川信子先生と私とでお手紙を読ませていただき、お返事を差し上げたりお電話をしたりしたのですが、心身症的なものはかなり深刻なものがありました。
於保:どんなケースがありましたか。
石川:卵巣や子宮の摘出手術をしたことが原因で自分や人生に自信を失い、自殺まで考えたという方や、子宮筋腫と診断されたけれどガンではないかと不安で、医師に聞くこともできず一人でいることに耐えられない方などさまざまでした。
於保:私の病院に見えている女性の患者さんのなかでも、併行して婦人病のために婦人科へも通っている、という方は多いですよ。
石川:女性は男性と違って思春期から老年期まで、女性特有の症状や病気と向き合って生きていかなくてはいけないのですよね。
於保:女性として生きていくうえで引き起こされる心身症というのもあるわけです。
石川:最近の患者さんをみていて感じるのは子宮内膜症の方が増えたな、ということですね。
於保:それはたしかに増えているように思います。
石川:子宮内膜症が増えたのは女性の結婚年齢が高くなり、それに伴って初めての出産年齢が高くなったせいもあるといわれています。
----------ストレスも関係あると聞いていますが。
石川:あるかもしれませんがはっきりしてはいません。昔に比べて仕事をもつ女性も増えていますし、ノンビリと暮らしていける時代ではないから、ストレスも当然増え、子宮内膜症の人が増えてきたのかもしれませんね。
於保:子宮内膜症と診断されてから、私のところへ来た方がいらっしゃいました。その方は、精神面の改善と併行して内膜症のほうも改善され、よくなっていきましたね。