ふれあい診察室

2013.07.24更新


「いい加減」という言葉は本来「好い加減」という意味である。しかし、いつのまにか悪い意味での「いい加減」の方が一般的になってしまい、バランスのとれた本来の「好い加減」ができなくなってしまう人が多い。 
 Tさんは30才の優秀なシステムエンジニアである。もともと生真面目で責任感が人一倍強く、引き受けた仕事は完璧にこなすことを信条にしている責任感の強い人である。それまでも多くの仕事を任されてオーバーワーク気味であったところに、さらに今度は会社の命運をかけた大きなプロジェクトの責任者となった。失敗は許されない仕事なので、いままで以上に懸命にこの仕事に取り組んでいたところ、しだいに夜もぐっすり眠れなくなり、したがって朝起きも苦痛になってきて食欲も減退し、ついにダウンしてしまった。
 真面目な人ほどこのような板挟みの立場に置かれると、自分さえ我慢すればとがむしゃらに頑張り自分の限界を越してしまうものである。極端に例えると、2トンのトラックに5トンの荷物を積んで走ろうとするのである。その結果がこのようなうつ病であったり、過労死となってしまう。このようにいわゆる「好い加減」に仕事を遣り繰りできない人達は共通してその背景に「いい加減」はいけないという価値観を持っているようだ。自分の限界を見極め、仕事を断ることは勇気のいることではあるが「好い加減」であってこそ長続するし、知恵や工夫のこもった良い仕事ができるのである。このような一見当り前のことがなかなか頭では解っても身には付きにくいものである。一年ちかくたって「今まではやせ我慢の人生でした。いつも〜ねばならないという考え方だから例え達成できても喜ぶどころかくたびれだけが残ったものです。病気になってこういう生き方の間違いに気づけて良かった」と語るTさんの将来はもう心配ないようだ。

投稿者: オボクリニック

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