私の見るところ、健康な人、一流の仕事を成し遂げている人には子供っぽさがあるように思えます。親しみやすくて愛嬌があり、したがって、その人の本音がわかりやすいものです。逆に本音を押さえたり隠したりする人は、周りから理解されなかったり誤解されたりしやすいのではないでしょうか。
人間関係の悩みを訴えてくる若者が後を絶ちませんが、彼らは一様に「周りの人が自分のことを理解してくれない」と訴えます。彼らの人間関係の取り方にはいくつかのパターンがあるようです。おおざっぱに言うと自分の殻に閉じこもる無口で没交渉のタイプと過度に周りの人々に気を遣うタイプです。どちらのタイプにも共通していることは、相手の人に自分の本音が伝わっていないということです。自分の考えや立場、本音を表さなければ相手から理解されないのは当然でしょう。しかし、ここで問題なのは、このように人間関係で悩むタイプの人は、自分自身でも自分の本音がなんなのか分からないことが多いということでしょう。
そこで、私は自分の子供っぽさを見つけて育てていくために、ぬいぐるみ療法を薦めることがあります。出来るだけふさふさした抱き心地の良いぬいぐるみを用意して、そのぬいぐるみに名前を付けます。そして、一日三十回くらいそのぬいぐるみに話しかけるのです。しかも夜は、抱っこして寝るのです。初めは妙に恥ずかしいかもしれません。それは今まで自分の子供っぽさを押さえてしまっていて、出すことに慣れていないからといえるでしょう。
最近は「抱き枕」に人気が集まっているようですし、「たれぱんだ」が流行っているようですがこれらもぬいぐるみ療法の効果があるのではないでしょうか